ours(恋をしても6)
秋也のシャープな目元が俺を見下ろす。睨むような,挑むような,切ないような・・そんな目。その目には恐ろしいほどのセクシーさと何かを企むゾクゾクするような凶暴さが滲む。 俺の身体は条件反射で微かにすくむ。 「そんな風に怯えんなよ・・・分かってんだろ?何されるかなんて。」 「ねぇ?」と甘やかすように耳元で囁かれる。「・・・どうなんだよ。」髪を乱されて息が乱れる。「分かんないの?」身体の細胞ひとつひとつを震わすようなハスキーでセクシャルな声。 その声が皮膚の上を撫でるだけで腰が痺れる。 「いつもいつも・・何度抱いてもお前は変わらないな。そうやって少し怯えて,恐ろしいモンでも見るみたいに俺を見る・・。」 それが堪らなく秋也を駆り立てる。チュクリ・・・とうなじに秋也の唇が触れた。ゾクリと快感が首筋を這う。 「そん・・な・・怯えてなんか・・。」 正斗の言葉を邪魔するように秋也の唇が上から下へと耳から滑る。敏感な皮膚を逆撫でするような動きでわざと熱い堵息を吹きかけながら。 「怯えてるじゃん。今だってビクビクしてるよ。・・なぁ・・それが一層苛められる原因になってるって分かんねぇ?」 「ねぇ・・・分かんないの?」と首の付け根に顔を埋め,蕩けるような舌で舐られながら問われる。 苦しめるように快感責めにしたくなる。泣かせてやりたくなる。可愛くて,可愛くて・・だから苛め上げて泣かせたい。必死に責苦に耐える様が見たい。助けを求めて縋りつく様が見たい。そんな可愛いお前を渾身の力で打ち抜いてしまいたい。 「本当にアイツとは何もなかったかなんてな・・直ぐに分かる。」 男っぽいけれど長い秋也の指が身体の上を撫でながら這い回る。 「ああ・・。」 もう,目を開けていることが出来ない。潤み始めた瞳を閉じると身体が秋也の波長に乗り始める。いや,浚われる。 「おまえは自分でオナる事なんかしねぇもんな。俺がそんなもん必要ないくらい抱いてるからな。・・・それに自慰は禁止した。お前のセックスは全部俺のもんだろ?」 恥ずかしい問いに答えを避ける。そんなことを言葉にして言われたくない。 「でも,ここ数日どう?俺ら寝てねぇよな?」 言われている言葉の意味が分からない。何が聞きたいんだ・・秋也。 「欲しくなかった?俺のこと。」 「ねぇ・・。」いきなり腰を抱えられて正斗はハッとした。 「!!」 次の瞬間にはシーツの中に身体を沈めた秋也の唇に自分の下半身が捕えられ,咥えられた。 「あきっ・・!」 しなやかな秋也の身体が自分の下肢の間に潜り込み,両足を抱え込んで固定する。 下半身を完全に封じられて,その中心の正斗の弱みは秋也の思うがままだ。 「アアッ!!」 甲高い声を上げて身体が仰け反った。 熱い! 秋也の口の中で巧みな舌が・・時に絡み,レロレロと弾き,筋をしごく。器用な指先が茎の根元にまとわり付くように絡み,予想も出来ないところを刺激し,上下に激しく振れる。 正斗は自分の内から迸る快感のエネルギーに耐えかねて自分の腰下にある秋也の髪に必死でしがみ付いた。 でも,とうていそんなことでは抗えないような快感が襲い来る。 逃げ出したい,秋也を跳ね除けてこの快感責めから逃れてしまいたい・・・そんな想いすら浮かぶほどの快感。 はぁぁ!はぁぅッ・・あぁ・・! 熱を逃がす堵息を吐き出すけれど,身体は熱くされるばかり。 ぁぁぁあああ・・! ぐちゅ・・り・・ぐちゅ。。 吸われる。 もう半狂乱だった。 「やッ!!・・やぁぁぁ・・っ。秋・・やめ・・っ!!ア!アァッ!!」 出るっ! 開放の安堵感に包まれた瞬間。秋也は抜群のタイミングで愛撫を外した。 正斗の身体がハッと引きつる。 「秋也ッ!やって,もっとっ,もっと・・!!」 狂うかと思う。発狂しそうだ。 発射されるはずだったエキスが体内に逆流して暴れ,腰がビクビクと跳ねる。 伸び上がった秋也にうるさいとばかりに唇を塞がれ,たっぷりの唾液を含まされ,舌を与えられる。 正斗は無意識に秋也の頬を両手で掴み,自分に一層引き付けるとその舌に貪りつき,縋るように舌を求めた。 んふぅ・・うう・・んんんぅ。 溢れる唾液を気にもせず,ただただ身体の芯を駆け抜ける狂おしい感覚に突き動かされる。 ・・・こういう正斗が好きだ。 くだらない事は考えず,己の欲求だけに正直に我を忘れる正斗が。欲しくて欲しくて堪らないと泣く姿が。いとおしくて・・俺のことしか頭にない。うわ言みたいに俺を呼ぶ。滾った自身を俺の下腹に擦り付けてねだりながら。 「あき・・あきや・・・アキヤ・・!」 たっぷりと俺を教え込んだ身体。この身体は俺しか知らない。 この身体には求める快感を与えるのは俺だけだと教え込んである。欲しい快感は俺からしか得られないと。頭にではない,身体に直接教えてある。 どうされたいのか,どう扱われたいのか,どんな風になるのか。 指先に至るまで愛撫して教えてある。 この身体が他人に馴染むわけが無い。 他人には強烈な違和感と物足りなさを覚えるはずだ。 俺が開き,俺が教え,俺が開発した。俺だけの身体。俺のセックスのための身体だ。俺が思い切り劣情をぶつけられる身体。 敏感な身体を一層敏感にした。甘いだけの抱き方じゃもう満足できないだろう?激しいだけの抱き方じゃ達けないだろ?極上の甘さとギリギリの激しさで抱かれ続けた身体。いたぶりという愛撫に翻弄されながら何度逝った? こんなにも激しいセックスの相手をし続けている。 なのに・・・。 「俺以外の男にも興味を持ったか?」 快感に狂う正斗の耳には届かない小さな囁き。 「逝きたいか?正斗。」 開放させてもらえないのは,秋也がまだ自分に対して怒りを抱いているからだ。こうして苦しまされるのは当然。 余裕のある目に見下ろされる。 はしたなく乱れに乱れた自分とは対照的に秋也は不適に笑う。 もう恥も外聞も無い。ただ俺はカクカクと頷いた。 「なら,そう言え。」 恥ずかしさが脳裏を掠めたのはほんの一瞬で俺は必死だった。セックスの時の秋也は時々こんなふうに残忍になる。 最後のあがきを見せる小動物を愉しんでいたぶる。追い詰める・・・ほら,ほら・・どうしたんだよ・・と。 「達きたい・・秋也・・も・・達かせて・・。」 ニヤリと秋也がまた笑う。 「それが・・物を頼む言い方かよ。」 焦らす秋也に涙が滲んだ。 「お願いだ・・秋也・・達かせて,達かせて・・・。」 自分で開放出来ないように両手を頭上で羽交い絞めにされる。その姿に固定された事が正斗の羞恥快感のポイントを新たに刺激して一層切なくなる。身を捩る。 「そんな風に身体よじって誘ってみせてもダメだぜ?」 違う・・・正斗の目じりに切なさと悔しさと愛しさの涙がまたにじむ。 「逝かせて欲しかったらもっとおねだりしてみな。」 俺の言葉には何でも従う状態の正斗は,しゃぶりつきたくなるような色気を滲ませた目で俺を見,腰を揺らめかせて先走り汁で濡れ濡れのモノを俺に擦りつけながら「達かせてください。」と涙を滲ませ懇願した。 俺はその痴態を眺めて充分に愉しんだ。征服の悦びだ。 「あいつとは何も無かったんだよな。だったら・・おまえのココからは数日分溜まった濃いのが出るよな?そうだろ?」 腹につくくらい怒張しているモノの輪郭を指先で辿られながらなじるように確かめられる。 ひくり,ひくりと身体と喉が鳴った。 「出せよ。味見してやる。」 一気に根元まで咥えられ,吸われ,追い上げられた。 「!!」 正斗は声も無く全身を痙攣させ,秋也の口内に激しく吐出した。腰が跳ね上がって止まらない。愛しい人に吐き出す瞬間の下半身が砕けそうな痺れ。 「アアアアアーーーーッッ!!!」 自分がバラバラになりそうだった。弾け飛んでしまう。 必死に秋也の名を呼びながら俺は刹那意識を飛ばしてしまった。
うっすらと白目を剥くようにして正斗はくず折れた。 飲み込む事が困難なくらいむせそうな精液の味が秋也の眉をしかめさせる。驚くほどの量がビクビクと正斗から吐出される。 こってりと密度が濃い。 数時間前に射精したとは到底思えない濃厚な味。 正斗は俺の検査を甘んじて受ける。モノを俺に預け,弓なりになって射精すると軽く意識を飛ばしてしまった。
ごくり。
口の中の正斗のもの全てを飲下すると自分の中に渦巻く怒りが半分収まったことに気付く。ペロリと唇を舐めた。 自分の下には乱れて沈みこむ正斗の姿がある。 正斗を開放するのは俺だけだ。正斗自身より的確に開放してやれる。 「この身体は誰のモンだ?」 逞しい胸に抱き込みながら問う。 「秋也の・・も,の・・。」 逝ったばかりでかすれた声と霞んだ意識。だから,本心しか語れない。 「いい子だ。」 秋也の声が優しい。 「後ろ向きな。」 だるい身体を秋也に反転させられ,ベッドにうつぶせられる。達した余韻でまだ身体がだるい。 シーツを捲られ,下半身が露わになる。 秋也が何を確認するつもりなのか・・そんな事は明白だった。 軽く足を開かされ,両足の間に秋也が身体を滑り込ませた。・・秋也の手が太ももの付け根を掴む。 ゆっくりと,しかし大きく,合わせ目が開かれる・・限界まで。尻山の肉に秋也の指が優しく強く喰い込む。 そこには,珊瑚色の窄まり。 中心に向けてキュッと閉まった秘部の全てが露わになった。 前の茂みが股間から垣間見え,菊門は秋也の雄を恐ろしいほどに誘う。 正斗の後門は性的交わりの跡など1つもなかった。 「・・・なにも・・無かったんだな。」 小さな,小さな,秋也の呟きは正斗の菊門の上で囁かれた。つ,と唇を触れるだけのキスを後門に施す。 ピクリ,と正斗の背骨が震えた。 見られるだけで感じる自分はどうしようもないと思う。 ・・・でも,秋也に身体を見られていると思うと内側が煽られるように興奮してしまう。恥ずかしいという想いがその興奮を一層膨らます。 秋也に広げられた部分に彼の視線を受ける・・・堪らなかった。 「あ・・・っ。」 いきなり何の予告もなく,秋也の右手の中指が正斗の門に進入した。 指が軟肉の中を進んでくる。どんどん奥へと入ってくる。 「あっあっ・・!」 進むたびに正斗から声が上がる。 「俺の指がお前ン中に入ってく。」 ゾクゾクした。 門の皺がゆっくりと開いて指を飲み込んでいく。小さな口のように。 「ああ・・・。」 視覚でこんなにも刺激を受けてしまう自分がおかしい。正斗の身体に飲みこませる指。 「ローション,塗るから。」 言葉と共に,今度は秋也の左手の指がローションを湛えて秘門に触れる。 「アアッ!」 奥歯を喰いしばってその快感に耐える。枕に額を押し当ててシーツを掴む。 うつぶせていて見えない背後を秋也に次々と攻められるのは堪らなかった。 秋也の巧みな両手指がたった一箇所の小さな秘門をいたぶるのだ。その快感は計り知れない。 隠すものもない正斗の秘門は全てを秋也に捧げ,今や秋也の両手の指を2本ずつ受け入れている。 2本ずつ挿入された指はローションを塗りこみ,内肉を擦り,前立腺を押すといういくつもの事を同時に行う。 門の中の4本の蠢く指に正斗は意識を浚われそうだった。 「んんっ・・んんンッ!!ぅ,う,ぅんんんーーーッ」 「いくぜ?」 言葉が終わらないうちに秋也が入ってくる。 指とは比べ物にならない存在。 先端の張りが閉じようとする襞を容赦なく抉る。進むサオが襞を震わす。 「あああああああッッッッ!!!」 目の前が弾ける。 もう,後ろから進んでくる秋也だけが絶対だった。 「俺を身体で覚えろ。」 背後から抱き締められて尚も腰を進められる。 反射的に身体が上ずって逃げをとった。「逃げるな」低く囁かれて逃げた分だけ一層含まされる。ブルブルと身体が震えた。 弛緩して緩み,ぐにゃりと力の入らない身体に,熱い芯棒が突き進んでくる。 身体の中心を射抜く秋也のイチモツだけが正斗の身体を支えていた。 「くッ!」 小さな声を発して最後の極太部分を秋也が正斗に飲み込ませた。 ビクリ!と腕の中の正斗の身体が跳ねる。 全てを納めるとしっとりと汗ばんだ身体の秋也が正斗を揺らめかせながらあやす。 「どうだ?」 「・・あ,あぁ・・。」 「しっかり挿ってるぞ。根元まで。」 「あ,き・・。」 「正斗・・これが俺だ。分かるな。」 「あ・・あきや・・。」 「俺の形を身体で覚えろ。・・・何度も教えただろ?」 正斗の中に自分を覚えさせる。 「さぁ,俺をもっと締め付けて形を身体で覚えて,正斗。」 秋也が優しい声を出すときは苛められる時だ。出来ない,と正斗が首を振る。これ以上の快感に耐えられないのだ。 「ダメだ・・やるんだ。・・出来るだろ?大丈夫,俺が見ててやるから。」 優しい言葉と一緒に激しく突かれて声が迸る。喉元まで突かれたような錯覚を覚える。 正斗はギュッと目を閉じて自分の後門に意識を集中した。そんな事をしただけでもう逝ってしまいそうだった。 必死にソコを締める。締めると密着した内襞までが秋也の形を抱き締めるように締めてまざまざとそのリアルな形を感じた。 「・・ぁっ・・秋也,あき・・や。凄,い・・。」 その絶対の固さに支配される。 「どんな風に?」 逸らした喉元を舐め上げられる。いっそう優しくなる秋也の声。 「・・お,大きい・・。」 「それから?」 「す・・筋・・筋張って・・あぁ!・・・反って・・ンンッ・・硬いっ・・あああっ。」 「それで?」 「あ,あぁ・・熱い。熱いよ・・・。」 身体の芯に埋め込まれた秋也のペニスが逞しく脈打ち強い鼓動を伝えてくる。 「だれのため?」 「アアっ!あ,ああっ!」 「ねぇ,だれの?」 ヴンッと弱みのポイントを突かれた。「ハッ!ああっ!」衝撃でトプリ・・と正斗の先端が意図せぬ迸りをみせる。 「お,れ・・の・・・。」 「そうだよ,おまえのため。正斗のせい。」 秋也の言葉に正斗が身体で反応した。正斗の後門が引き締められ堪らない圧迫感が秋也のモノを襲った。元々がかなりの締め付けがあるソコに一層の締め付け。 堪んねぇ・・。 秋也は正斗の腰を掴んで天を仰ぎ,その強烈な感覚に耐えた。ググッと正斗の中でまた自身が成長した。 しかし,自虐的な気分で埋め込んだモノをグリグリとかき回す。 正斗が悲鳴を上げた。 正斗の身体の少しでも奥を開きたかった。1ミリでも奥に自分を覚えさせたい。野獣のような凶暴な気持ち。
ズブンッッッ!!!
視界がブレるほど突かれる。 は・・はぁ・・っあぁあ・・! その間にも器用な長い指先は正斗の前をいじり,小さな乳首の上を遊び,快感という快感を全部与えてくる。まさに快感責めだった。ダラダラと涎が垂れるほど自我を奪われる。
秋也が自身を引くとそれに攣られるように正斗の内肉がめくれて覗く。熟れた果実のような内側の色。自分を半分だけ引き抜いてめくれ出てきた内肉に指を這わす。 恐ろしいほどに高温だった。 堪らず自身を渾身の力で突き込む。正斗の中に埋まって見えなくっていく自分のモノに征服欲が満たされていく。 正斗の中に全てを打ち込み,全身を密着させている時のこの感覚は言葉に出来ない。 俺の,物だ。 その衝撃を全て身体に受け止めさせるために強く固定したまま更に穿つ。
「正斗・・愛してる。こんなに・・。」
秋也がようやくマグマを開放した時・・・すでに正斗の意識はなくなっていた。
ブク・・・。
身体の奥からドロリとしたものが伝ってくる。 その滑る感覚にゾクっとした。 一体,自分が意識を失ってしまった後,秋也は何回出したんだろう。 相当な量が自分の体内にあるのが分かる。 「・・・おまえから俺のにおいがする。」 気だるげに正斗の頭を撫でながら秋也が言った。 「・・・え?」 正斗の言葉はかすれて声になっていない。 身体中にマーキングしたんだよ,と秋也は笑った。 「キレイだよ・・・最高に抱き心地がいい,お前は。」 火が付いているように身体の中と秘部が熱い。 「正斗・・この身体はな,おまえんじゃねーんだよ。俺しか知らない,俺だけに反応する俺専用の身体だ。この身体で他の奴を誘ってみろ・・・。」 「誘ったりなんか・・!」 正斗があまりの秋也の発言に思わず身体を起こして「うっ」と痛みに崩れる。その正斗の身体をやんわりと秋也の腕が支えてやり受け止める。 唇にキス「ここも。」両方の乳首にキス「ここも。」指先にキス「ここも。」濡れそぼった股間にキス「ここも。」引き締まった尻山にキス「ここも。」そしてまた唇にキス「全部だ。」 「俺だけに感じて俺だけに達くようにしてんだ。」 囁きながら瞼にもキスをされる。 なんて・・・自分は愛されているんだろう。 「・・・身体,だけ?」 「え?」 「俺は,身体だけじゃ・・ないよ。心が・・秋也以外をもう受け付けない。」 正斗は身体を捩って秋也にキスをねだった。 「キス,して。」 その仕草に秋也はあっけなくノックアウトされる。
「ホント・・お前にはかなわねー・・俺。」
愛すれば愛するほど,正斗は輝く。 輝けば輝くほど,他人が正斗に近付いてくる。その輝きに誘われるように。 こんな悪循環ってねぇよな。
「でも,貴俊は本当にただの友達だぜ。」 正斗が真剣な声で言う。 「・・そうだな。」 秋也は小さく返事を返した。 正斗の中で親友というポジションならそれも仕方ない。友達まで制約して縛ろうとは思わない。 相手がどう思っているかが問題だけどな。
秋也の呟きは眠ってしまった正斗の耳にはもう届かなかった。
愛された残滓にまみれた身体。熟れたキスマークだらけの身体。 でも,きっと明日にはまたお前は涼しい顔をして大学に通う。 それがどんなに俺をざわつかせるか知りもしないで。
どこまでも追いかけて繋ぎ止めたい。いつまでも。 ・・・結局俺はおまえに主導権を握られ続けるのかもな。 小さく苦笑いして腕の中に眠る横顔に秋也はそっとキスをした。
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